今日味新深(No.37:2011/09/28)
“経営の見える化”あるいは“経営の可視化”の重要性、必要性が説かれて久しいですが、その一環として“技術資源の見える化”があります。
一般に企業の経営資源には、「人」、「物」、「金」に加えて「情報」ということが言われますが、さらに「技術」もその企業の重要な経営資源として、競争力の源泉になっている場合も少なくありません。
しかしながら、「技術」は極めて属人的な性質が強く、目に見えるようにすることは難しいとされてきました。たとえ同じ会社であっても、部門が異なれば技術の用語の定義や使い方が異なる場合も多く見受けられます。とはいえ、自社の保有する技術がどのようなもので、レベルはどの程度なのか、また規模的にはどれくらいなのか、そしてこれらの技術がどの事業・製品・サービスに結びついて競争力を発揮しているのか、といったことを全社レベルで把握することは非常に重要です。
こうした“技術資源の見える化”に当たっては、「技術マップ」を作成することが有効です。
従来、紙ベースで運用されていた時には、これらのマップの作成、更新等は非常に面倒な作業でしたが、現在はITの進歩により比較的容易に作成、運用することが可能です。
ある専門家によれば、技術マップは、「企業あるいは技術者の保有する技術を個別の要素技術ごとのレベル、過去からの推移、将来性、偏在性など多面的に整理し、体系化・可視化されたもの」と定義されています。
技術マップを整理することにより、例えば
- 自社の技術に対する共通の認識基盤ができる
- 自社の技術を体系的に捉えることができる
- 自社の技術レベルが明確になり、他社(殊に競合他社)の技術との比較のもと、強み・弱みを把握することが容易となる
- 事業戦略と技術との関連が明確になる
などの効用を得られることが期待されます。
現在、弊社ではこうした技術マップ構築の支援をしております。