「アサーション」あるいは「アサーション・トレーニング」という言葉を
耳にしたことはないでしょうか?
本来の定義では「行動療法という心理療法の中で、対人関係に悩んでいる人や
自己表現が苦手な人のために開発されたカウンセリング理論・技法」ですが、
今の日本でもっともよく引用されているのは、「自分も相手も大切にした自己
表現~自他尊重の自己表現(平木典子)」です。
自分も相手も大切にした自己表現の具体例としては、外食先で注文と違う
メニューが出てきた時に以下の3パターンが想定されます。
1)「仕方ないなぁ、こっちが言い間違えたのかもしれないし、まっ、これでいいや」
と出てきたものを食べる
2)「頼んだものと違う!すぐに取り換えてくれ!」と声を荒げて言う
3)「頼んだものと違うので、確認してください。注文通り(こちらの勘違い)
であればいただきますし、違うようでしたら注文したものにかえてください。」
と伝える
この中では3)の対応がアサーティブ(アサーションを実践できている状態)
ということになります。
この違いは、1)は元々の自分の欲求を押さえ込んでおりそれを伝えずに
自分の中で押しとどめている、2)は自分の主張のみで相手への配慮がなく
周りの雰囲気を悪くする、3)は自分の主張をちゃんとする一方で相手への
配慮もしている、といった点です。
昨今、ハラスメントへの対応が強く求められていますが、アサーションの
理論・技法はその対応への一つの大きなヒントになります。それは、自他の
尊重という根本的な理念が共通しているからです。
最近よく耳にする「アンコンシャスバイアス」であったり、心理学でいう
「イラショナルビリーフ」であったり、アンガーマネジメントでいう「べき」
は、アサーティブな態度を妨げる原因になります。
自分にとって当たり前のことでも、相手にとって必ずしも当たり前ではない。
かつては容認されていたけれど、今は明らかにNGといったことが多々あります。
まずはその違いに気づくことから始まるのですが、自分の当たり前を押し付けるのか、
相手の当たり前を鵜呑みにするのか、ではなく、双方にとってOKと言えるものを
見出していくのがアサーティブなあり方です。
ある講義の際、受講者の方から「結局、“自分”ですか?!」という、質問とも
感想ともとれるコメントをいただいたことがあります。そうなのです。
アサーションの思考法や技法を学ぶことも大切なのですが、自分自身と向き合うことが
アサーティブなあり方への第一歩となります。
その一歩、踏み出してみませんか?
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□職場のアサーション~自分も相手も大切にする自己表現~
https://www.kobelco-hrd.com/coursedetailbiz2023.php?23020
【日 時】2024年1月22日(月)~23日(火)
【会 場】神戸地区
【狙いと効果】
○アサーション(さわやかな自己表現)」とは何かを学びます。
○自分の意見や気持ちを伝えるとき、「違い」を受け止めるときの自分の傾向を知り、
アサーティブなコミュニケーションのために何が必要かを学びます。
○アサーティブな伝え方、聴き方を学びます。
○アサーティブに伝えるために必要なことを整理し、シナリオ作りをする手法を学びます。
○「 違い」を適切に受け止め、自分も相手も尊重してコミュニケーションを図ることは、
ダイバーシティの実現にも役立ちます。